ADHD、自閉症、学習障害、、、、
近年になり研究が進み聞いた事があると感じる人も多いのではないでしょうか?
このカテゴリの記事は今までの発達障害の概念を180度転換する、「新時代で活躍する発達障害という才能」をテーマに投稿していきます。
記事を読めば発達障害との向き合い方がわかり、今までの固定観念から卒業し新しい才能に出会う事ができます。
そのためにまずは、今の一般的に言われている発達障害とはどのようなものか?
を知っていただきたいと思います。
発達障害とは?
発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れ、
通常の育児ではうまくいかないことがあります。
成長するにつれ、自分自身のもつ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあるかもしれません。
ですが、発達障害はその特性を本人や家族・周囲の人がよく理解し、
その人にあったやり方で日常的な暮らしや学校や職場での過ごし方を工夫することが出来れば、
持っている本来の力がしっかり生かされるようになります。
(厚生労働省HPより)
つまり、先天的なものである脳の発達の違いにより、成長につれて課題が出てくるというものです。
診断は基本的に医療機関(病院やクリニック)で行われ、問診や心理テスト、性格テストを用いて
一定の基準を満たすと診断が下りる一方で、
その一定基準に満たない状態を発達障害グレーゾーンといいます。
では発達障害はどのように治すのか?という質問に対してですが、
これに対する回答は難しく、社会生活に支障が出ている部分をケアしていく。
というのが回答の一つになります。
そして発達障害にはそれぞれの特徴から以下の3つにタイプ分けをされています。
注意:これらは併発して発現している場合もある。
増加傾向にある発達障害
2012年経済産業省が発表したデータをご紹介いたします。
文部科学省より全国公立小中学校の生徒およそ5万人を対象に「発達障害の可能性がある生徒」と評価された生徒の割合は6.5%と公表されました。
これは、1クラスに1〜2名は発達障害の可能性がある生徒がいるという結果です。
そして、この統計データの対象は通常学級の生徒であり、知的障害等を有する生徒(特別支援学級等に通っている発達障害児童)は除外されています。
また、生徒たちの日常に密に関わる教師から見たデータであることも重要なポイントです。
潜在的にはさらにこの割合が高くなる事が予想されます。
(文部科学省 通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について 2012年より)
また、文部科学省が公表している下記資料に関して、義務教育段階の全児童人口は減少している一方で、支援を必要とする生徒の数が2007年に比べ4.2%も増加していると公表されています。
(文部科学省 日本の特別支援教育の状況について 令和元年9月25日「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」より)
発達障害は不登校や、学習進度の遅れなど、問題が表面化してから発覚する場合が多く早期の段階で見つける事が困難である傾向が強いため、あくまで問題が発生してから対処をしていく対処療法であることが今の現状なのです。
ADHD(注意欠如・多動性障害)
ADHD(attention deficit/hyperactivity disorder)は発達障害の1種であり、
主な症状としては、落ち着きがない、忘れ物が多い、
衝動を抑える事ができない(大声を出す、突然走り回るなど)があります。
現在の研究では親からの遺伝が多いと言われており、
妊娠中の喫煙、飲酒、薬物摂取なども影響があるとして指摘されています。
そして発達障害には、2次的な影響が懸念されており、
注意散漫により過度に叱られたり、テストの成績が悪く落ち込んだ利した結果、
自信をなくしうつ病や不登校などにつながってしまう可能性が非常に大きいため
近年の不登校の増加にも影響があると考えられています。
診断後の治療は、ペアレントトレーニング(両親のトレーニング)や
ソーシャルスキルトレーニングなどを行い
社会的に生きやすくするための環境調整や、薬物療法などが行われています。
下記はDSMーIV中のADHDの診断基準です。
その他の項目に当てはまり、①②の項目でいずれか、もしくは両方6項目以上満たせばADHDの疑いがあるとされています。
特に重要なのは症状が日常において困難を引き起こしているかどうか?という部分です。
日常生活にその特性が原因で困難を示すという事が基準であり、それには別の疾患を含みません。
この部分の判別が非常に難しいのです。
数値化されているわけではなくあくまで問診ベースです。
DSMーIV(American Psychiatric Association.1994)によるADHDの診断基準
【注意集中障害】
- しばしば綿密に注意する事ができない、または不注意な過ちをおかす
- 課題または遊びの活動で注意を持続する事がしばしば困難である
- 直接話しかけられた時にしばしば聞いていないようにみえる
- しばしば指示に従えず、学業、用事での義務をやり遂げることができない
- 課題や活動を順序立てる事がしばしば困難
- (学業や宿題のような)精神的努力の持続を要する課題に従事する事をしばしば避ける、嫌うまたは嫌々行う
- 課題や活動に必要なものをしばしばなくす
- しばしば容易に注意をそらされる
- しばしば毎日の活動を忘れてしまう
【多動性・衝動性】
- しばしば手足をそわそわと動かし、椅子の上でもじもじする
- しばしば教室で座っている事ができない
- しばしば不適切な状況で走り回ったり高い所へ登ったりする
- しばしば静かに遊ぶのが苦手
- じっとしていない、またはまるでエンジンで動かされるように行動する
- しばしば喋りすぎる
- しばしば質問が終わる前に出し抜けに答えてしまう
- しばしば順番を待つ事が困難
- しばしば他人を妨害し、邪魔する
【その他の項目】
- 発達障害であり、7歳未満に発症する
- 症状は比較的長い間(6ヶ月以上)続き、2つ以上の場所でみられる
- 症状が日常生活における著しい困難を引き起こす
- 他の疾患を除外する(広汎性発達障害、精神発達遅滞、統合失調症)
(DSMーIVより一部引用)
対応ポイント
- 出来た事、出来る事をまず褒める
ADHDの特性が出てしまうと人の話を聞けなかったり、何度説明してもわからなかったりと
失敗した事に目がいってしまいます。
悪循環に陥らないためにもまずは褒めるところから始めましょう。
- 傾聴を意識する
自信がなくなってくると自分の意見が言えなかったり本当の困りごとを隠して発言をしてしまうこともあります。
何を言ってもこの人には本心をさらけ出せると信頼が生まれると、困りごとが明確になります。
- 具体的にかつ短く
集中力が持続しにくい方にはできるだけ短く具体的な指示が必要です。
わかりやすく、はっきりと伝えましょう。
- 注意をする場合はその場で
後になってそういえばと過去の事を指摘するのは、詳細にイメージをするという高いハードルを超えなくてはなりません。
基本的には、注意をするときはその行動をした直後がベストです。具体的にどこがいけなかったのか?を伝えます。
いずれにせよ大切なのは安心感です。
信頼関係が何よりも大切です。
ASD(自閉症スペクトラム障害)
主な症状としては、こだわりが強い、集団行動ができないなどがあります。
ASD(Autism Spectrum Disorder)
は、2000年に広汎性発達障害の1つのカテゴリとして(自閉症、アスペルガー症候群、レット障害、特定不能の広汎性発達障害)定められていたのが、
2013年に自閉症スペクトラム障害として統一されました。
その際にレット障害は染色体異常に伴うために、発達障害の定義からは除外されました。
また、IQ70以上で言葉や知的の遅れがない状態の事は高機能自閉症と定義されています。
下記はDSMーIV中のADSの診断基準です。
Bの項目に当てはまり、①、②、③から合計6つ以上かつ、①から2つ以上 ②と③から1つずつ以上を満たせばASDの可能性があると判断されます。
DSMーIV(American Psychiatric Association.1994)によるADSの診断基準
(A)
①社会的相互交渉の質的異常
- 社会的相互交渉を調節する非言語的行動の異常
- 発達水準相応の仲間関係を形成できない
- 楽しみ、興味、達成感を他者と分かち合おうとする行動の欠如
- 社会的、情緒的相互性の欠如
②コミュニケーションの質的異常
- 話し言葉の発達が遅れるか欠如し、身振りなど他の手段で補おうともしない
- 言葉を話せても、会話を開始し維持できない
- 言葉使いが常同的で反復的、または独特である
- 発達水準相応の変化に富み自発的なごっこ遊びや社会的な模倣遊びの欠如
③限定され反復的で常同的な行動、興味、活動のパターン
- 常同的で限られたパターンの興味に極度に没頭する
- 特定の機能的でない決まりごとや儀式にかたくなにこだわる
- 常同的で反復的な衒奇的運動
- 物の一部分に持続的に没頭する
(B) 3歳前から、社会的相互交渉、コミュニケーション、象徴あそび・想像的あそびのいずれかに発達の異常がある、レット障害または小児期崩壊性障害ではうまく説明されない
(DSMーIVより一部引用)
さらにイギリスの精神科医であるローナ・ウイングが自閉症スペクトラムの特性を3つにまとめた「ウイングの3つ組み」と呼ばれる分類も有用である。
- 孤立型
人と関わろうとせず呼ばれても返事をしない、表情の変化に乏しい、周囲の人に無頓着である、こちらから話しかけるとまるで関わりを避けるかのような行動を取るなどの特徴を示す。
- 受身型
指示などには従順に従いこちらからの関わりを受け入れるように行動する。このため集団場面での適応は他のタイプに比べて良いとされている。ただし本人からの自発的な乏しく何事にも指示待ちになる場合が多い。
- 積極、奇異型
他社に積極的に関わるが一方的で独特な事が多い。アイコンタクトやスキンシップも認めるが、状況や文脈に合わないため自分勝手やわがままと誤解されることもある。
(Wingの3つ組より)
対応ポイント
- 安心する事ができる空間を作る
刺激ができるだけ少ない環境を準備する事が大切です。
例えば、机の上にたくさんものが置かれていないか?、周囲の音はうるさくないか?、会話を近くでしていないか?など
視覚的、体感的に過敏な傾向がある場合は個室に誘導するなど環境調整に重点を置くと良いです。
- こだわりをできるだけ尊重する
彼らの特徴的なこだわりは特定の遊びやルーティンを行ったり、思考のこだわりも伴う場合があります。
「違う!こうだ!」と否定をするのではなく、まずこだわりを聞いてみましょう。
その上で「こんなのはどう?」と別の提案をし、視野を広げる事が大切です。
- 視覚的に伝える
12時くらいや〇〇が終わってからここで集まろう!というような約束はしばしば理解が難しい場合があります。
それは、イメージが難しいからです。
約束事や今後の予定など図やカレンダーを使ってイメージしやすく伝えてみましょう。
- 言い方を一定に具体化する
「どっちでもいいよ」や、「ちゃんとして」というのは何をどうしたらいいのかわからない場合が多く混乱する可能性があります。
「8時丁度に、職員室に数学のノートを持ってきてね」など具体的に伝えましょう。
そして、言い方は一定にします。昨日は○○と言ったのに、、、と違う事を言うと混乱を招きます。
LD(学習障害)
LD(Learning disabilities)
※医学界ではLearning disordersが使用される。
は発達障害の1種であり、主な症状としては、読み書きができない、計算ができないなど、特定の分野において明確にうまくできない状態が多いです。
最近では、違った学習方法のアプローチを取るという観点からLearning Difference と呼称する人もいます。
LD(学習障害)定義
学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れは無いが、聞く、話す、読む、計算する、または推論する特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。
学習障害はその原因として、中枢神経に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、精神薄弱、情緒障害などの障害や環境的な要因が直接の原因となるものではない。
(学習障害及びこれに類似する学習上の困難を有する児童生徒の指導方法に関する調査研究協力者会議(文科省)最終報告(1999))より
小児期に生じる特異的な読み書き傷害は発達生ディスレクシアとして知られ、知的な遅れや視聴覚障害がなく充分な教育歴と本人の努力がみられるにもかかわらず、知的能力から期待される独自能力を獲得することに困難がある状態と定義されている。
診断基準について
発達性ディスレクシアの診断は、標準化された読字・書字検査に基づき行われる。
- 知的機能評価において、Wechsler式知能検査などのIQテストを用い知的障害でない事を確認する。(IQ70〜85が境界領域知能とされている)
-
ひらがな音読検査を行い、流暢に話せているか?正確に話せているか?を確認する。
特異的発達障害診断・治療のための実践ガイドラインに4つの音読検査が公表されていたり、CARD等を活用し漢字及びひらがなの読み書きの速度を測定する。
- 音韻認識機能の検査、視覚認知機能の検査、言語記銘力検査を行う場合もある。
対応ポイント
- 姿勢を変えてみる
文字がうまく書けない場合、さまざまな要因が考えられます。
例えばイメージ通り体を動かせないのか?文字の構造が読み取れないのか?など
これらの一部はペンの持ち方、座り方など姿勢を改善する事で、良くなるケースもあります。
- Ipad等のICT機器を活用してみる
音声機能を使用して文章化をしたり、書いてある文字を音声化して読んだり、板書を写真で保存するなどの活用があります。
ただ導入時期に注意が必要です。人の目の成長は9割近くが6歳で視力がAになります。成長前にipad等を導入することにより視力の成長が妨げられる可能性があるため、学習難度が一気に上がる小学3年〜4年生が最適な導入タイミングだと言えるでしょう。
- やろうと頑張っている事実を理解する
こちら側の意識として、一生懸命にやろうと頑張っているんだと言う事を理解する必要があります。
なぜできないのかは本人が一番不安ですし、難しいことにチャレンジするのには大きなエネルギーが必要です。
少しでもできた事をほめ成長した部分に意識を向けてみましょう。
- イメージがしやすいようにイラストを使う
人によりますが、言葉とイメージがリンクしていない場合もあります。
例えばおかあさんは母ですが、お、か、あ、さ、んと言ったようにただの文字として認識している場合もあるのです。
この場合は、お母さんのイラストを見せたり文字とイメージのリンクを作っていきます。
グレーゾーンってなに?
発達障害グレーゾーンとは、実は診断名ではありません。
発達障害の特徴や症状はみられるものの全ての判断基準を満たさずに、診断名として確定ができない状態のことを言います。
グレーゾーンやADHD傾向がある、自閉症傾向があるなど表現されることもあります。
症状は人によりさまざまで、診断名が確定できない状態であったとしても、特性や症状の程度も人により異なるため一概に発達障害に比べ軽いものだとは限りません。
その子の本質をみてありのまま感じれた時に人生を良くする方法が必ず見つかります。
ビジョントレーニングってなに?
ビジョントレーニングとは、視覚機能のトレーニングです。
視覚機能とは、眼が正しく動き(ピントが合う)、脳内で正しく処理され(正しい認知)、イメージ通りに体が動く(出力する)の3つの要素を合わせたものです。
実は眼の能力は視力だけではありません。
視力検査でAを取ったからといって視覚機能が正常だとは限らないのです。
例えば下記の画像はなんと書かれているでしょうか?
これは、こどもと書かれています。視力がAであったとしてもこの文字が認識できない方は大勢います。
それこそが視覚機能なのです。
現に眼球運動が苦手な方はこの画像のように文字が重なり見えている場合もあります。
実は視覚機能の低下している子どもたちが増加しています。
その原因の一つがスマートフォンをはじめとするICT機器です。
新型コロナウイルスによる自粛により、外遊びの現象も影響しています。
眼を動かす機会が無ければ、眼の筋力は低下していきます。
また、眼と脳は繋がっているため眼を動かすことで脳へ刺激が与えられ、脳の成長へと繋がります。
「昨日の夜なにを食べましたか?」
おそらく眼は動いたはずです。
その動きが脳と眼がつながっている証拠です。
では、落ち込んでいる時はどこを見ているでしょう。
おそらく下の方に眼を向けると思います。
スマホ、PC、勉強
基本的に私たちは下を向いて生活をしています。
つまり落ち込んでいる時と同じ眼の動き、脳の動きになっています。
眼の動きがメンタルにまで影響を及ぼしてしまいます。
ビジョントレーニングは眼を動かすことで、脳に良い刺激が伝えられ、記憶力がアップしたり、集中力がアップしたりするだけではなく、精神的にも安定する効果もあります。
おすすめトレーニング
下記に心を育てる塾内で限定公開しているメニューの一部を公開いたします。
No.1 ヘッドスイング
No.3 目跳ばし
No.15 ナンバータッチ②